このサイトのトップへ 研究所概要 研究成果 製品情報 技術解説トップへ 求人情報 リンク集
直線上に配置
トランジスター

2006/06/20 写真追加


初めて買ったトランジスター、と言うのを諸兄は覚えているだろうか。私はよく覚えていない。ダイオードの方はよく覚えているのに、トランジスターは覚えていない。だが、初めて手に入れたトランジスターなら覚えている。記憶だから、もしかしたら違っているかもしれないが、ソニーのNPN型のゲルマニウムトランジスターである。ゲルマニウムといったら大概PNP型である、というのは、この道に古い諸兄なら体にしみこんでいるかもしれない。初期のトランジスタラジオはみなゲルマのPNPで、今で言う2SAと2SBで構成されていた。もちろん、まだ2SA〜といった命名方が確立する前だと、各社バラバラの型番であったが。

件のソニーゲルマNPNは、2T11とか2T12といったような型番だったと記憶しているが、いま既に大地に戻られているので確認できない。古いトランジスタラジオの部品として、基板から外した状態で手に入れたか、あるいは自分で外したか、そこらあたりも定かではないが、使用済みの実験用部品として第二の人生を歩み始めていたトランジスターであった。・・・・いやひょっとしたらジャンク箱の隅にまだ残っているかもしれない。



ということで、ジャンク箱の中から出てきたので紹介する。
ゲルマの2SCタイプである。





以下はとりとめなく・・・




TO−3タイプ。今ではPC100Wクラスのトランジスタではメインに使用されることはなくなったと思うが、中を開けて、熔けて切れた金線を半田付けして修理したものだ。今主流のモールドパッケージではそうはいかない。今の身分では、こんなトランジスターでも、ジャンク箱にごろごろ入っているが、この道に足を踏み外した黎明期のころは、こういったトランジスターを1個2個と大枚をはたいて(なにしろすねかじりの身分だから)購入した。上の写真のモノではないが、このようにして意を決して購入した2SC41という型番をよく覚えている。これはおそらく、上述のごとく、一度おシャカになり、内臓手術でよみがえって再使用されたはずだ。もしかしたらまだ製品にとりついて稼働可能かもしれない。カンを開けているので、型番は確認できないが。




これは、TO−92だったか? 形式名は正確にはあまり認識していない。型番は写真を撮ったときに見ておけばよかったが、なにしろこういった類は大量にあるので、そのうちのどれを撮ったか、定かではない。何といういい加減さであろうか。いずれにしても、このタイプはPC1W弱クラスで、小信号の回路から、リレー駆動かミニアンプといった、小出力段にも使える万能型である。

これは2SC1384らしい。(2005/02/20)

型番印刷面を正面に見て、足を下に出して、右足からB−C−Eと並ぶのが多いと思うが、中には左からB−C−Eと言うヤツもあったりして、要注意である。そこら辺は統一できなかったのだろうか。やりようはあったと思うが。各メーカーの思惑があったかもしれない。


この写真のもとよりもうちょっと小型の、PC200mWといったような汎用・AF/RF小信号といった類も、ほとんどB−C−Eの並びだが、ごく一部、真ん中にエミッタが来るのがある。RF専用か。AFや通常スイッチング的使い方では、足の並びが問題になることはめったにない。


 (2005/02/20)



脱線するが、初期のデジタルマルチメーターでは、トランジスターの極性チェックが出来なかった。それが為、アナログ式の旧来のテスターが手放せなかったが、今ではデジタル式でも当たり前のようにダイオードチェック機能が付いている。しかも、定電流設定してあって、その時の両端電圧が読みとれる用になっているモノもあって、さすがその部分は旧来のアナログ式にはない機能だ。・・・というあたりは、またテスターのページで詳述しよう。



こんな5本足のヤツもある。エミッタ共通の差動入力用かベース共通のカレントミラー用。この写真のものはどっちだろう。

この手のものも最近は見かけないような気がする。きっと、ワンチップにしてペア性を合わせておく必要のあるような回路のものは、いっそICにしてしまえ、ということかしらん?? まぁ、一応使ったこともあるが、どうしても5本足のワンチップにしておかなければどうにもならん、というような微妙な使い方ではなかった。しかし便利ではあったな。